荒井良二の山形ビエンナーレ2018参加作品「山のヨーナ」の絵本版。荒井にとって「山のヨーナ」は、読み手・鑑賞者が自ら組み立てる物語であるため、本書はあえて構想段階のスケッチやメモをランダムに束ねた「絵本のようなもの」とした。文翔館議場ホールのインスタレーションと本書は並行してつくられ、荒井の即興的かつブリコラージュ的な創作のドキュメントとなった。
絵本とあわせてリリースされたレコードは、空気公団ら親交のあるミュージシャンたちが、荒井から送られた「山のヨーナ」（架空の）サウンドトラックのタイトルから自由にイメージをふくらませ作曲・演奏した音源から成る。インスタレーションの重要な構成要素として会場で流され、期間中には前田エマや寺尾紗穂らによる収録曲の即興ライブも開催した。
https://www.akaoni.org/yamanoyona/

山を越えてゆこう
山を越えてゆこう
ここを越えてゆこう
ここにもどる旅へ
きっとここにもどる旅に
なんと心おどることか
風をうけてゆこう
ここにもどる旅へ
きっとここにもどる旅の
くつのひもをむすんで
山を越えてゆこう
ここを越えてゆこう
（荒井良二「山のヨーナ」構想ノートより）

著者：荒井良二／企画・編集：kanabou（宮本武典＋akaoni）／参加ミュージシャン：寺尾紗穂、山崎ゆかり（空気公団）、moo-chies、坂本弘道