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発行日:2024年12月14日[土]
原画展:2024年10月28日[月]→2025年4月21日[月]聖心女子大学グローバル共生研究所
詩:和合亮一
取材協力:ソー、モン、マテンテンウ、モウモウスウェ、ウィンタンダカイン、ピョウ、ナンキン、トゥ、イェン、スウェイ、ミャ、テッ、藤田マフヤー、大槻美咲
ドローイング:荒井良二
責任編集:宮本武典
デザイン:樋口舞子
プログラムディレクション/編集
『わたしたちの一番星よ』は、福島の詩人・和合亮一と東京芸大宮本研が協働するリサーチプロジェクトで、アーツカウンシル東京の助成により刊行したビルマ語・日本語・英語の多言語詩集である。泥沼化する祖国の内戦を逃れて日本で出産と子育てに奮闘する在日ミャンマー人の母・14名に和合がインタビュー取材をおこない、彼女たちのナラティブ・ストーリーを16篇の詩で表した。
2024年現在の東京は、子育て世代の多国籍住民が増え続けているにも関わらず、それぞれの民族や国ごとのコミュニティで孤立した子育てが行われている。また日本の地域社会には未だ異文化へのバリアが根強く、多文化・異文化への理解欲も急速に薄れている。そのような情勢下で増え続ける「未知の隣人」との暮らしは、些細な誤解や軋轢を生み、外国人憎悪やヘイトクライムにつながるのは欧米の先例が示す通りだ。
そのため本プロジェクトでは、誰しもが当事者である「母と子」を主題に、伝統的に詩を愛するミャンマーの人々と私たち日本人が心と感性でつながるコミュニケーションツールとして、ビルマ語訳付の詩集を制作した。5千冊の詩集は現在、NPO法人Mother’s Tree Japanによる多文化子育ての支援現場や啓蒙活動に活用されている。
同時に私たちはミャンマー人母たちの取材を通して、ミャンマー国内で教育機会や未来の選択肢を奪われる子どもたちの過酷な現状も知ることになった。本書掲載の和合の詩「一番星よ」には、もう二度と帰れないかもしれない祖国と、日本で育つ我が子への愛とともに、内戦下のミャンマーに閉じ込められた若者たちの将来を憂い・哀しみ・憤る母たちの激しい感情も編み込まれている。
企画:NPO法人Mother’s Tree Japan、東京芸術大学宮本武典研究室
ミャンマー語翻訳:宇塚れおん
ミャンマー語校正 : ジュライ・アミュティ
英語翻訳:永田佳之、宮嶋亜季、笠島真帆、樋永佳織、堀江凜
協力:聖心女子大学グローバル共生研究所、株式会社森岡書店
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[芸術文化による社会支援助成] ※助成対象事業〈アートによる多文化共生リサーチ「母たちの森をゆく ― マザーズツリー・プロジェクト」〉の一部として実施