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いしいしんじのその場小説『線路』

いしいしんじのその場小説
『線路ー東京変02』

発行日:2023年6月29日
文:いしいしんじ
絵:磯嶋遼馬、奥山マリカ、岡嶋美柊、宮西文音、宮沢択緒、近藤高弘、坂口向日葵、石橋征央、石原亜美、大森丈生、中村光佑、田崎芽依、内田まこと、楠本慶介、樋熊あかり、木村想、木村碧志、野原歩、齊藤耀地
企画:東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻宮本研究室
デザイン:梅木駿佑(Umeki Design Studio)
撮影:奥田正治

クリエイティブディレクション/編集

東京藝大油画専攻1-2年生の選択カリキュラム・宮本ゼミで毎年制作・配布しているリトルプレス『東京変』。第2号のゲストに小説家のいしいしんじを招いた。いしいは日本各地でマイク片手に物語を語り・筆記する即興パフォーマンス『その場小説』をおこなってきた。本紙掲載のテキストはコロナ禍を経て数年ぶりに、いしいが東京藝術大学絵画棟アトリエ508で書き下ろした『その場小説』の記録である。
2023年5月11日木曜日の夕刻、18人の藝大生と彼らが描いた18枚の絵に囲まれて、いしいが2時間で書き上げた短編のタイトルは『線路』。18枚の絵が藝大のアトリエを出て、斜陽の公園を、影を落としながら連れ立って歩き、駅の改札を抜けて山手線に乗りこみ、無限と有限のあわいをゆく…。
18枚の絵とは〈その場〉にいる若者一人ひとりの変容であり、それぞれに「ビー玉」や「声」「パズル」などの名前が与えられた。本紙中面に挟み込んだ19枚の絵は、いしいが壁に貼り出していった小説『線路』をモチーフに、今度は学生たちが応答して描いた絵画群となっている。絵から小説が生まれ、その物語がまた新しい絵を生み出す。言葉と絵画、マッキーと絵筆、ピュアに手探り交差した2つの〈線〉の記録。